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2017-07-06 16:13:00

お蕎麦屋さんでの仕事が楽しかった。

 

 そして・・お金の心配もなくなった。

 

 新聞の帰り・・市場の社長から・・

 

 「山ちゃん!!今から手伝ってくれへん!!」

 

 「日当で給料払うから・・」「蕎麦屋までに終わるから・・」

 

 とか喫茶店のランチタイムだけ2週間お願い・・

 

 現場の塗装屋が3日間お願い・・

 

 毎日どこかアルバイトの依頼が絶えなくなった

 

 すべて一生懸命こなした。。そして

 

 延長の依頼があった。びっくりするくらい給料をもらった。

 

 たまたま新聞配達の夕刊の仕事が外国の方が勉強の為で

 

 と言う事で僕が配る必要がなくなった・

 

 笑うくらい少ない給料で朝刊は配った。

 

  それでも辞めようとは思わなかった

 

 そういう義理みたいなもの大事にしたかった。

 

 すべては蕎麦屋さんのおかげで感謝した。

 

 売り上げをあげる事をいつも考えた

 

  出前先の麻雀屋でも

 

 「俺、槍田スペシャル」「俺も川上スペシャル」

 

 知らないお客様が「スペシャルって何や~」

 

 「やまちゃんに言うたら・・カレーうどんに天ぷら入れたりいろいろ

 

 できんねん!!オリジナルうどん作ってくれるねん」

 

 じゃ~俺 杉スペシャル~具材全部入れて~」

 

 出前は新聞配達をしてるので裏道まで知っていて

 

 誰よりも早かった・・そして温かいウチに配達する事

 

 にこだわりさえ芽生えた。「美味しい蕎麦は温度や~」

 

 新聞配達しながら・・手書きの広告も入れた

 

 トッピングでオリジナルうどん、そば、どんぶり=出前も温かいよ~

 

 みたいな事書いてくばった・・得意の絵も描いた。

 

 お店も繁盛しだした・・

 

 いらっしやいませ~

 

  おばちゃん「社長とこの従業員みんなウチで食べてくれるやん~」

 

 社長「ちゃうねん!!山ちゃんがぁ~新聞の途中にウチの家のとゆが詰まってる

 

 んみて・・昼間直してくれてん・・きれいに直してくれて・・

 

 ほんで・・こづかいあげる言ったら・・」

 

 「お店に食べにきてください!!いうねん」

 

  「そやから従業員もここで出来るだけ食べろ!!って言うたん」

 

 おばちゃん「ふ~ん・・そうかぁ~」

 

  最近は山ちゃんが料理してるんやろ~

 

 おばちゃん「そうやねん、楽になったわ~」

 

 「めちゃ儲かってるやん~山ちゃんのおかげやで~」

 

 そして僕は料理らしき物にはまりだしていました。

 

  年配の方と若い人では出汁の濃さをかえなあかん!!

 

 あのおじいさん・・出汁いつも残ってるし

 

 女の人は麺少なくして・・その分ネギとか多く入れた方が

 

 喜ぶんちやうかなぁ~

 

 あのおばちゃんネギ残すから最初からぬいとこ・・

 

 現場の人には濃い味でごはん多くして

 

 水はボトルでだそう~

 

 お客様が何も言わずともこっちが先に気づくのが

 

 商売ちゅうもんや・・言うか俺誰やねん・・また笑ってる。

 

 そんな想像する時間が好きだった。

 

 ただいつも何か違うねん~わからんけど・・と思っていました・

 

 そんなある日・・「おばちぁん。この製麺機、俺直してみようか??」

 

 

 おばちゃん「ウチの主人この機械つぶれておかしなぅってん~」

 

  「もう蕎麦屋なんか辞めや~って毎日パチンコ行くようになって・・」

 

  俺頑張って直してみる・・電気は流れてるねん。電気さえ流れてたらっ大丈夫屋と思う

 

 仕事が終わり・・夜中分解してまた組み立てかたずけ次の日またばらし

 

 そんな日々が続く・・

 

 あっ「これや・・これ・・ここのフーリーがかけてる

 

 だからかまへんねん。ここや・・

 

 次の日・・鉄鋼所にこれ作ってくれへん~

 

 3万ほどするで・・「3万かぁ~・・」

 

 今25000円しかないねん。日雇いだいぶ入ってるから

 

 後でもええ~・・

 

 よっしゃ・・2万5千で作ったるわ~・・

 

 「ありがとう・・」缶ジュースを買って渡した

 

 おばちゃんには言わなかった。お世話になってるし

 

 もし直らなかったらと思ったので

 

 製麺機は息を吹き返した・・

 

 がたがた・・動き出した・・早く粉を入れてくれ・・

 

 蕎麦打たせろ・・と言わんばかりに・・

 

 「よかった・・」ますます機械が好きになった。

 

  早く打ってほしかったが・・主人は来なかった。

 

  そんなある日・・もうお店のオーダーはすべて

 

 作れるようになった。市場でもらう

 

 魚のあらとかで1品も作り

 

 サバ寿司のセットとかお持ち帰りよう

 

 の箱寿司も作った・・お客様は喜んでくれた・・

 

 子供の頃から・・いい物を食べた事なく

 

 刺身とかびっくりしたけど生で食べるん??

 

 ホンマ?だましてない??

 

  その味に感動した。

 

  その感動を伝えたくて・・頑張った。

 

 ただ・・何かが違うと思った。

 

  そんなある日・・お店に・・あるおじさんが来た

 

 一目見てわかった・・勝手に厨房に入り・・厨房を見渡し

 

 製麺機に向かった。電源を入れ・・がたがた動き出した。

 

 おじさんは涙を流しながら・・聞こえるか聞こえないくらいの大きさで

 

 「ありがとう~」といった。

 

 僕が・・粉買っきましょうか??というと

 

 道を説明しだした・・僕は「嬉しかった。こんなにうれしいと思った事

 

ないくらいうれしかった・」

 

  初めて・・打ち立てのお蕎麦を食べた・・

 

  びっくりした・・歯触り・・喉コシにわいた

 

  「旨い・・美味しい・・製麺所から来る麺とはまるでちゃう~」

 

 おばちゃんも泣きながら・・蕎麦をすすっていた。

 

  その時・・自分がひっかかってたある謎がとけた。

 

  これなんだ・・根本が美味しくないとあかんねん。

 

  俺はアイデアだけやねん~これは誰でもできる

 

 蕎麦屋は蕎麦美味しないと・・・

 

 

「食べあるこう~」「いっぱい食べて学ぼう~」

 

  それから・・アルバイトしたお金であっちこっち

 

 食べ歩くようになになった。蕎麦を中心にいろいろ食べた

 

  お店は繁盛して息子も帰ってきた・・

 

  自分はもういらないとも考えるようになった・・そんなある日

 

 「ねぇ~あんた・・言ってよ」

 

 「俺が・・」

 

 もう赤ちゃんの頃からその態度には敏感だった。

 

 自分から・・「おばちゃん・・俺辞めたかったん」

 

 その後・・びっくりする言葉を僕の胸を刺した

 

  そしてえぐった・・

 

 「あんた・・レジの金とったやろ・・」

 

 毎晩・・機械直すとかいうて・・レジの金とったやろ・・

 

 それから・・今日まで我慢してたけど・・

 

  もうあかん!! 警察に言わんからでていって・・

 

  僕はびっくりして・・何も言えなかった・・

 

 「おばちゃん・・そんな目で見てたん・・俺の事・・」

 

  「ほんまに・・そんなんすると思うん??」

 

  「俺なぁ・・生きててこんな安心して毎日過ごした事なかった」

 

 「もう感謝しかなかったのに・・なんでそんなんするん~」

 

 「俺・・赤ちゃんの頃から大人に好かれようと頑張ったん」

 

 「施設の先生や見に来る人・・みんなに気つかったん・」

 「校長先生とか・・現場のおじさん・・でもあかんかった・」

 

 「おばちゃんとお客様は応えてえてくれた・・うれしかった」

 

 「だから・・頑張ったのに・・」「何が気にいらんの??」

 

  「俺な・・物心ついた時から思ってたん。」

 

 「朝起きたらなぁ~死んでたらよかったのに・・・って」

 

 「カブトムシみたいに・・死んでたら楽やのに・・って」

 

 「 ほんなら・頑張らんでもええのに・・」って

 

 でも生きてるねん・・ほんなら・・腹へるねん・・またガマンせなあかんねん!!

 

 でも・・ここ来るようになって・・お腹もいっぱいなって・・

 

 みんな俺なんかに「山ちゃん~って言ってくれて・・俺生きててよかった!!って」

 

 「朝来るのん・・初めて楽しみに思ってん・」「寝る時も・・明日ならへんかなぁって」

 

  「俺・・生きる意味あるやん~とか・・思っ・・」

 

 「でも・・一番大切なおばちゃんに疑われるって・・」

 

 「もう・・もう・・」

 

 「でも感謝してます。・・俺・・おれは金とって・・」

 

 「お世話になりました・・」

 

 そのまま出ていきました・・

 

 その晩・・また現場で・・一人の少年が叫んでました

 

 「なぁ・・なぁ・・俺あほやろ・・俺なぁ・・調子のって

 

 料理人とかなれるんちゃうと思っててん・」「笑うやろ・・」

 

 「将来の夢・・自分のお店する・・・」なんて考えとってん

 

 アホやろ・・あはは・・

 

  「俺ができるわけないやん・・なぁ・・できひんわ・・」

 

  なぁ・・神様・・聞いてるん・・「俺・・料理人なんか絶対ならへん・・」

 

 「めちゃ嫌いやし・・客なんかもう嫌いで嫌いで・・」

 

 「いや・・なりたいねん・・」「ゴメン・・うそ・・俺・・またみんなに喜んでもらいたいん」

 

 「なってええの??なぁ・・なってええの??夢とかもってええん??」

 

 「あかん!!か~・・勘弁してよ・・夢くらいないと生きられへん・・」

 

 「でも俺・・生まれてお金とかパクった事ないし・・」でも・・でも・・わからんねん

 

 「俺・・14才やで・・わかるか??どうしたらええねん・・」

 

  「まだ・・子供やねん。優しくしてほしいねん。」「同級生なんか・・コーラー半分残して

 

 ほかすねんで・・なぁ・・聞いてる・・御弁当とか残すねんで・・うぁああああああああああああああ:」

 

  一晩中泣き叫んだ・・

 

  そして・・神様・・あっ神様わかった・・お賽銭やろ・・俺いれた事ないもん・・

 

   それで・・それでこんなんするん??

 

  わかった・もし俺ビックになったら300円入れるから・・なぁ・・

 

 300円ってビックになっても300円ってセッコーはっははははは~

 

   今度は笑ってる・・

 

 その朝新聞配達で蕎麦屋の前を通った・・1通の手紙を入れた。

 

 今まで・・ありがとうございました。心から感謝しております。

 

   僕は・・ここで働いて・・自分の目標が決まりました。

 

  ここで働いて・・料理の楽しさを知りました。

 

  食べる事の愉しみもしりました。

 

 お客様に喜んでいただく事の喜び

 

  そして・・本質です。料理の本質を親方から学びました。

 

 蕎麦ひとつでこんなに違うかと・・

 

  それで・・私はこの料理業界のトップに立つと誓ったのです。

 

   でかいホテルの料理長になる。どんな修業にも耐え

 

  どんなに辛くても必ずなります。

 

 いつか・・てっぺんに立ったら・・その時また

 

 お伺いいたします。それが僕の感謝のすべてだと思ってください

 

 おばちぁん・・初めて食べた「もかない」旨かった~

 

  ありがとうございました。

 

 やま

 

  演出・・やま 音響・・やま

 

 編集・・やま 

 

 次回予告

 

 「あいつ・・ほんまもんのバカや~」

 

 「本気であのホテルのてっぺんになる気や~」

 

 「しかももうなる事は当たり前で次の事まで考えてる~」

 

 「ほんまもんのアホ~や」「応援するしかないっしょ・・」

 

 「ほんまもんアホに・・はははっはは」

 

  さてこれから料理人になると決めたが・・続くのでしょうが・・

 

ではでは