インフォメーション
本日は23周年を迎えました。お客様には本当に感謝です。
ありがとうございます。
本日も常連様せす。 毎年は娘さんの誕生日も今日で来てくださいます。
本日はご夫婦でのご来店です。
シャトーブリアンを召し上がってくださいました。
ありがとうございます。
続いてすっぽんのお客様です。こちらのお客様も
すっぽんメインでいつも食べにきてくださいます。
ありがとうございます。
イベントとかコロナでやってませんが、お店
が営業できただけ嬉しいです。
最近はほぼ休業ですので・・よかったです。
23年前の事を考えると・・今は夢のような生活を
実はしております。23年前の5月末で前の店を閉めました
初めて挑戦したお店が1年持たず倒産で・・運転資金も
1000万くらいあったのが・・借金1000万しかも
保証人がいない私は・・喫茶店で話して借りるような所で
借り入れ従業員に給料を払ってました。
お店を始める前は・・全国のホテル、旅館周りをして
いろんな方にも評価され・・若さもあって自信満々で
オープンしましたが・・世の中の厳しさを感じました
本当に心が閉ざすとはこういう事くらい〜知りました。いろ
んな経験をしてきたつもりでしたが・・商売の責任に比べた全然と思いました。
働きに行っても借金返済はできない・・とお思いカウンター
天麩羅屋をしました・・5月末まで前の店をやっていたしお
金もないので・・拾ってきたような椅子をペンキ塗りライト
も自分で作り・・内装も自分で作りました・・それが23年前
この地で商売のスタートです。一人でやる天麩羅屋で決めた
事がありました・・天麩羅と手作り豆腐とご飯・汁以外は絶
対に料理しない・・年中無休で働く。借金を返すまでは・・
一人で働く事が前提でしたので料理は天ぷらだけに決めまし
た。有難いことにそのお店はオープンしてすぐから
連日満員でした・・今の私よりはるかに収入は上くらいです。
もうひとつやっていたことは・・お店が朝9時に入って
夜12時までで・・それが終わるとそのまま市場に行き
朝7時までアルバイトすることです。帰りに親方が頑張る
から・・イワシ・・1ケース持ってかえりや〜とか
生きてるタコをもってかえりや〜とか・・また仕入れの
買い物もすべて安くしてくださいました・・お店の天ぷら
屋といえども・・例えば・・キスもタコも活けしか調理
しません・・全部・・朝採れた・・魚です。ちなみに市場の
天ぷら屋でも・・冷凍で開いたキスなどを調理してます。
メゴチなど変わりタネも用意してハモやクジラ、すっぽん
なども・・市場で余れば・・安く仕入れそれがまたヒット
と繋がりました・・売り上げはすごかったんです。
でも悩みができてきたんです。 週に3回くらい食べに
来てくださるお客様とか増えて・・何か料理をしてあげたい・・という思いです。
ですが・・私のような低価格の天ぷら屋は・・回転していか
ないと売り上げがあがりません・・ほかの料理を提供すると
時間もかかり一人ではできない・・そもそも料理にも時間が
かかる・・それでは・・ヤバイ金融屋に借りてるので返されない。金利もヤバイのに・・
ぐっと我慢して・・営業してました。お客様とも一切話をしませんでした・・
このイワシちょっと煮付けして〜とか言われても・・天ぷら
しか料理できないんです・・と言って断ってました。豆腐は
今の時代と違って・・手作りとかなかったので・・ものすごく喜ばれ
湯豆腐するから・・持って帰るとかまぁいろいろ売れました
でもお店で湯豆腐はお断りしてました。そんな自分が本当に
悲しかったです。同業者の料理人の方には・・天ぷらしかできへんの・・カスやな〜とまで言われました。
安い手作りのお店なんて。。言いたい放題です。流行れば
流行るだけ罵声も浴びます。お金がない・・というのは本当
に悲しい事だと思い知らされました・・
それでもお店は毎日満席で・・とうとう借金の返済のメドも
付き・・ 従業員を一人雇いました・・調理学校生の方でした。
来られるお客様は・・今の私を見れば想像つくと思いますが
本当に・・褒めてくれて・・そのアルバイトもすごく毎日
充実した毎日でした・・この子に料理を教えたい・・とか思うようになりました・・
そんなある日・・店の斜め前のホテルの料理人が・・自分の下の子に
「お前・・このままやったら・・こんな天ぷらバカになるぞ・・」と「こんなカスになりたいか・・」と
そしてその後輩の子は「こんなカスにはなりたくないで
す。」「絶対に嫌です。」「こんなんなったら死にます」と私達に聞こえるようにいいました
だいたいお店が終わる23時くらいに来るので・・言いたい放題だったんですが・・しかもホールの女子達が
毎日来て褒めてくださるので・・嫌味言いたかったんでしょう
私は別に・・なんとも思いませんでしたが・・それを聞いた
バイト君が・・泣きながら・・辞めます!!と私にアンタ
そこまで言われて・・悔しくないんか!!お前はカスや
と20歳そこそこの子に怒られ・・またホテルの人に笑われ
それでも私は笑って見送ってました・・貧乏から脱出するとは漫画みたいにはいきません・・そういう事の繰り返しなんです。
一方、市場のバイトは主任になり仕事も任され楽しくなって
きました。誰よりも美しく魚をさばけるとか言われるくらい
毎日1000くらい捌いてましたから・・
これが私の熟成の秘密です。そもそもそこから違うんです。
真似でできないんです。
これは毎日1000以上しないと無理なんです。つまり
意識して魚屋で働いた人間しか無理なんです。でも魚屋は
作業になるんです。毎日1000くらい同じ仕事をするので
こなすだけになるんです。速さばかり意識するんです。
そしてそれがこれから始める私の人生に大きな大きな
武器に変わるんです。
そしてお店も大繁盛で・・どんどん借金も減り・・
もう少しで借金返済かなぁ〜って時に
毎日のように天ぷらを食べるお客様がいて結構年配の方で
あんまりにも天ぷらを食べるので・・お身体大丈夫ですか
と初めて話しかけたんです。 うん・・でも私はやまちゃん
の天ぷら好きやし・・いいねん・・こんな新鮮な魚をありがたいわ〜と・・
私はたまらない気持ちになってもう無理・・もう無理・・と泣き始めました・・あかん
もうあかん・・お客様は・・びっくりして「どうしたん??」
「嬉しいんですよ・・」なのに・・俺・・自分のことばっかりで・天ぷらしか調理せんと・・俺・・最悪やん・・
そして言ってしまったんです。・・なんでも料理しますよ・・何が食べたいですが
和食でも洋食でも中華でもイタリアンでもなんでも料理しますよ・・デザートも作れますよ・・
なんなら・・今からでも・・
それが・・私のお店のはじまり〜はじまり〜です。
それからもお世話になったんで市場のバイトは7年続けました。ほんと寝なかったわ〜
そして・・居酒屋から料理屋になり割烹料理となり
出張料理もいただき・・23年という月日が経ち
畑をしたり・・いろいろ挑戦しております。
本当に・・すべてお客様のおかげです。
最後に・・ブログを読んでる方でご存知な方もいますので
それからもそのお客様は・・364日毎日来てくださいました(うちは年中無休でしたので)
来ない日だけ前もって電話くれる感じ〜で
そしてお亡くなる数日前まで・・ウチのお店に来てくださいました。
365日同じお客様でしかも飲み込み1万円という金額の依頼でした安い居酒屋でしたのに・・
(アンタの料理は1万でも申し訳ないくらいやわ・・と言い張り)
それはそれは毎日料理を考えて・・それが今の私の技術となり私の料理への思いとなっております。こんな経験してる料理人はあんまりいないと思います。
本当にありがとうございました。
いろんな師匠達と仕事しました。全国で・・有名な方も
ですが・・今も昔もそんなん関係なくお客様が私の師匠
だと思ってます。心から思ってます。
だから感謝しかないんです。
ありがとうございます
これからもたくさんのお客様師匠さんから学びたいと思ってます。
宜しくお願い致します
ではでは